本は何でも知っている

『ジョイランド』(スティーブン・キング)に学ぶ仕事観

投稿日:2016年12月18日 更新日:

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私の趣味はとにかく「文字を読むこと」です。書籍はもちろんのこと、新聞、雑誌、インターネット上のコラム、漫画、文字が書いてあるものならばいつでも読んでいたい。こどもの頃は読むものがなくなってしまい辞書や家庭の医学やら、家電の取扱説明書まで何でも読んでいました。病弱だったこともあって、外の世界を私に教えてくれたのは本だったのです。

そんな本好きの私が、「ビジネス書ではないけれど、ビジネスに大きな学びがあった本」を紹介していくのが、この「本は何でも知っている」のカテゴリーです。気を抜いてのんびりお読みください。

今回ご紹介するのは、スティーブン・キングの中編小説、『ジョイランド』です。
大学生の「ぼく」がアルバイトを始めた海辺の遊園地、『ジョイランド』。過去に殺人事件があったといういわくつきの遊園地で、かけがえのない仲間と出会い、さまざまな大人たちに触れ、瑞々しい恋を経験していく...。もちろんキングなので超常現象的な要素も含まれていますが、全然怖くありません。『スタンド・バイ・ミー』系の、切なくて美しい青春の物語です。

主要なストーリーとは離れた部分ですが、私は『ジョイランド』経営者の老人が、夏のバイト生たちを前にして語るシーンに感銘を受けました。

「この世はひどく壊れ、戦争と残虐な行為と、分別のない悲劇に満ちている。人類すべてが、男も女も不幸と眠れない夜に甘んじている。それに気づかぬ者も、いずれは思い知らされるであろう。そんな悲しくも避けがたい人間の事実があるなかで、あなたがたはこの夏、かけがえのない贈り物を得た。つまり、あなたがたはここで喜びを売るのです。お客さまが必死で稼いだお金と引き換えに、あなたがたは幸せをくばるのだ。」
p69 『ジョイランド』新潮文庫

私たちはつい、気軽に仕事をして、その対価としてお金を受け取っているけれど、そのお金は、お客さまが時間や心を削って稼いだもの。それに対して、ちゃんと幸せをお返しする、という意識を忘れてしまうことがないだろうか、とあらためて考えました。主人公の「ぼく」は、社会に出るまえにこの訓示を聞けて幸せだと思います。

ひと夏のアルバイトに過去の殺人事件が絡んで、という青春ミステリーかと思いきや、「ぼく」の物語は、ある少年と美しい母親に関わるようになってから大きく回り始めます。生と死、善と悪、幸せと不幸せに境界はあるのか、問いかけてきます。そして犬好きはジャックラッセルテリアのマイロの可愛さにメロメロになるに違いありません。ほんの少しネタバレをしてしまうと、マイロは大丈夫です! 安心してください!!

最後の数ページは、嗚咽なしに読むことはできませんでした。電車や人前で読むときはご注意を。

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